学校祭もキャッシュレスの時代 札幌の商業高校で生徒らが挑戦

学校祭もキャッシュレスの時代 札幌の商業高校で生徒らが挑戦
キャッシュレスが導入された学校祭の様子(提供:札幌東商業高校)
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 学校祭もキャッシュレスの時代に――。札幌市の札幌東商業高校(藤田和秀校長、生徒数918人)で7月19日に開かれた学校祭で、模擬店にキャッシュレス決済サービスが導入された。お釣りの管理の煩雑さなどを解消するとともに商業高校らしい学校祭にしようと生徒から発案されたといい、慣れない作業ながらも生徒らはテキパキと来客に対応した。

 同校の学校祭「東商祭」に導入されたのは、キャッシュレス決済サービス「KAZAPi(カザッピ)」。食べ物や飲み物など14の店舗に決済端末が置かれたほか、QRコードに対応できるシステムも整えた。これによって各模擬店を訪れた客は、電子マネーやQRコード、クレジットカードなどのキャッシュレス決済の方法で飲み物などを購入していた。キャッシュレスを利用しない中学生などには、特別に生徒会本部のテントで50円券を発行して対応したという。

 同校では以前から学校祭ではできるだけ現金を扱わず金券で対応してきたが、処理にかかる作業の負担が重く、コロナ禍で模擬店を出店できなかった期間中に対応策を検討していたという。こうした中、キャッシュレスサービスのリース方式があると知り、釣銭管理の煩雑さを解消するメリットに加え、商業高校らしい学校祭を追求できるという視点などから導入されることになった。北海道で完全キャッシュレス対応の学校祭が開かれるのは初めてという。

 生徒会顧問の谷口正樹教諭によると、生徒にとってクレジットカードを扱うことは初めてだったこともあり、事前に約50人の生徒がサービス会社の担当者からキャッシュレス決済の処理についてレクチャーを受けた。その結果、各模擬店では目立ったトラブルもなく、生徒らはキャッシュレスサービスの処理をてきぱきと行ったという。

各模擬店で生徒たちがキャッシュレスに対応(提供:札幌東商業高校)
各模擬店で生徒たちがキャッシュレスに対応(提供:札幌東商業高校)

 谷口教諭は「意外と生徒たちの覚えは早く、手際よく楽しそうに対応してくれていた。商業高校とはいえ、キャッシュレスサービスの実践をすることは授業でもないので、多くの生徒が触れたことは大変良かった」と話し、アンケート結果なども見て来年以降も導入を検討したいとしている。

 経産省によると、昨年のキャッシュレス決済比率は政府目標の40%を上回る43%ほどに達し、将来的な目標とされる80%に向けてさらにキャッシュレス化の流れが加速することが見込まれている。

 今回の学校祭を支援した「エム・ピー・ソリューション」は「今後も機会があれば学校祭でのキャッシュレス決済導入を支援し、生徒の皆さんが実社会に近い環境で学べる機会を提供したい。また、教育機関と連携しながら安心・安全な決済環境を提供することで、次世代の金融リテラシー向上をサポートしたい」とコメントしている。

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