(鉄筆)小学生の暴力行為

(鉄筆)小学生の暴力行為
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 文部科学省の2023年度の「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」の結果によれば、小学生の暴力行為が7万9件となり過去最大となっている。1997年度が1432件なので、四半世紀の間に49倍近くになっている。

 ある小学校の学級担任は「ささいなことでカッとなり、粗暴な行動をする子どもがいる。他の子どもに被害が及ばないよう制止することに日々気を遣っている」と話していた。同じような話は他の小学校教師からも聞いている。

 7月に、ある地裁支部で暴れる児童を押さえるために羽交い締めにする暴行をしたと訴えられた教師に対し、学校教育法が認める懲戒権の範囲内として無罪が言い渡された。その後、地検が控訴せず無罪が確定した。報道によると、教師は掃除の時間に上履きで校庭でボールを蹴る本児を発見、注意するため後を追い手足を振って暴れる本児を落ち着かせるため羽交い締めにしたという。

 文科省は13年に「体罰の禁止及び児童生徒理解に基づく指導の徹底について(通知)」で教師による有形力の行使について言及。「懲戒と体罰の区別について」「正当防衛と正当行為について」を、別紙として「学校教育法第11条に規定する児童生徒の懲戒・体罰等に関する参考事例」を示しているが、今回の事案に対応する内容は示されていない。

 この通知が発出されて10年以上がたち、子どもの状況も、学校を取り巻く環境も変わってきている。指導に当たる教師が迷いなく判断し自信を持って指導できる基準を設けるべきではないだろうか。

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