学習指導要領の改訂、指導要録の改善と相まって高大接続に関する見直しも行われ、センター試験に代わる大学入学共通テストを中心とした大学入試改革が進められている。改革の肝とも言える、国語と数学の記述式問題採用や、民間の英語検定試験の導入制度は見直しまたは延期ということになった。大学入試制度の改革は高校教育、中でも各教科・科目の授業の在り方に大きく影響する。特に普通科高校ではセンター試験対応のため知識の伝達を主とする授業が行われ、学習評価もペーパーテストによる得点が中心となり観点別学習状況評価も軽視されてきた。こうした状況は高校入試に向けた中学校の授業や学習評価にも影響する。例えば、高校入試に向けてA評価や評定5をなるべく多くしようとする実態もあり、学習評価としての信頼性も妥当性もない。記述式問題や民間検定試験の導入は、中高校の授業と学習評価に大きく関わってくるが、両者共に本格的な実施は見送られた。その導入に関わる問題点については、納得のいく問題作成と採点方法を示してほしい。関係者による、適切にして早急な対応を待ちたい。来年度から小学校では、新学習指導要領で授業が行われ、学習評価も改善された指導要録によって取り組むことになる。指導要録に関する通知では教師の勤務負担軽減にも触れている。学習評価に関して国研の「参考資料」が発出されるようだが、教師にあまり負担をかけずに適切な学習評価に取り組めるものを示してほしい。