(鉄筆)2020年、21世紀も……

(鉄筆)2020年、21世紀も……
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2020年、21世紀も5分の1、2000年に小学6年生だった児童も、今や32歳、国を支える中堅になりつつある。そんなことを考えている時、ふと、21世紀を前に、司馬遼太郎氏の「二十一世紀に生きる君たちへ」というメッセージが、6年生のある教科書に掲載されたのを思い出した。その頃、卒業を前にした6年生と、何度かこの文章を読んだことを覚えている。同氏は、この中で、「人間は、自然という大きな存在によって生かされているという素直な態度こそ、二十一世紀に生きる君たちへの期待である」と述べ、「いつの時代にあっても、自分にきびしく、相手にはやさしく、そして、素直でかしこい自己を確立し、たのもしい君たちであってほしい」とつづっている。同氏は、1996年に亡くなり、21世紀の世界を知ることはなかったが、もし今も存命であったなら、現在の若者をどのように見ていただろうか。この20年間、地震、火山の噴火、河川の氾濫など自然災害が多発したが、その都度、災害現場で、復興、復旧に向けて力強く活躍する若者たちの頼もしい姿があった。また、この数年、スポーツをはじめさまざまな場で活躍する若者の姿に目を見張ることも多い。そうした若者を見て、自分の発したメッセージが実を結びつつあることを喜んでいるのではないか。そして今、新型コロナウイルス感染の終息がいまだ見通せない中、現在の若者たちが、それにめげず、必ずやこの困難を克服してくれるであろうことを期待し、確信しているように思えてならない。

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