最近、掃除機を買い替えた。この掃除機、ゴミセンサーがゴミの有無をランプで示し、さらに、たまったゴミを常に目で確認できるという、掃除にやる気を持たせる優れものだ。見えにくいものを「見える化」するとは、いかに、行動主体に意欲を持たせるかを改めて感じた。「見える化」といえば、新型コロナの感染経路である飛沫(ひまつ)、接触のビジュアル化は、感染予防の行動に大きな影響をもたらした。マスクをせずに咳をした場合の飛沫の広がりや人と人との接触による感染者の広がりなどのビジュアル化は、見えにくいコロナの感染を「見える化」し、感染予防のためのマスクの着用、手洗いの励行、ソーシャルディスタンスの確保などの意味を知らしめてくれた。ところで、現在のような危機に直面すると、決まって寺田寅彦の言葉、「正当にこわがることはむずかしい」が取り上げられる。ここでいう「正当にこわがる」とは、「過度に恐れたり恐れなかったりせず、危機的状況から決して目をそらさず、想像力を働かせてよく考え、恐る恐るでもいいから一歩一歩前へ進め」ということなのであろう。コロナ感染拡大の中、学校現場では教員が感染予防に努めている。コロナ感染経路のビジュアル化によって、マスクや手洗いの励行などが感染予防に有効であることが理解され、さまざまな取り組みが工夫されている。コロナ禍の中、困難な学校生活が続くが、コロナウイルスを正しく恐れつつ、解明されていることをもとに、想像力を働かせ、一歩一歩前に進む子供たちであってほしいと思う。