コロナ禍による影響で全国の小中高校の多くは例年より早く2学期を迎えている。短いとはいえ、夏休み明けに先生方は子供たちの小さな変化を見逃さないよう健康観察などを通じ神経を注いでいることだろう。その中で、最近眼科医を中心に子供の目の健康に対する警鐘が鳴らされている。具体的には近視などの視力低下をはじめ屋内での生活時間の増加による体力低下や健康不良などである。視力低下について文科省の学校保健統計調査によれば、裸眼視力が1.0未満の子供は年々増加の傾向にあるという。小学生について言えば2019年度は全体の34.57%。これは調査を始めた1979年の2倍に当たる。今年度は多くの学校が年度始めに行う眼科検診を実施していないため、その実態を把握していないと思われるが、パソコンの画面を見る機会が圧倒的に増えた影響で、今年度の数字は確実に増加することが予想される。それに伴い、外遊びや屋外での運動の時間が急激に減少している。近視予防フォーラム代表の坪田一男氏が6月に行った調査によれば、小中学生が1日に外で遊ぶ時間は昨年に比べ25.7分も短くなっているという。成長期にある子供が長時間にわたり狭い画面を凝視したり運動する機会を奪われたりすることによるリスクは高い。特に目に対する負担は将来にまで影響する。早期の近視は後に網膜剥離や緑内障といった失明の可能性が高い疾病にもつながるという。学校は眼科医とも連携し家庭へ協力を呼び掛け、よりよい新しい生活様式の構築に取り組んでほしい。