「女性はいくらでもうそをつける」。某女性国会議員が女性蔑視の発言をした。同性をどう見ているのだろうか。8月の女性の自殺者数が前年同月に比べて40%増の651人だったそうだ。昨年は月500人前後で推移していたが、今年は7月と8月の2カ月連続で600人を超えている。厚労省は「どうか一人で悩みを抱え込まずに、まずは家族や友人、職場の同僚など、身近な人に相談してください」などと呼び掛けた。どんな生きづらさを抱えていたのだろうか。世界を代表する知性6人に問うた『コロナ後の世界』(文藝春秋)の中で、ロンドンビジネススクールのリンダ・グラットン博士は「日本での結婚は不平等」「日本の男性と企業は意識改革を」と言う。カリフォルニア大学のジャレド・ダイアモンド教授も日本は経済的には先進国だが女性に関してはいまだに後進国とし、教育レベルの高い「女性を家庭から解放」することを論じている。世界ではドイツのメルケル首相、ニュージーランドのアーダーン首相をはじめ女性の活躍が目に入る。わが国の遅れが気になるところだ。折しも、女性教育長の割合が過去最高と報じられた。しかし、その割合は教育長が都道府県で8・5%、市町村は5%。人口減少、少子化に拍車が掛かっている現代、女性が輝くことがなければ、明るい未来はないのではないか。情報化時代、子供たちには大人の社会が見えている。大人は、子供たちが未来に向けて夢と希望を持てるような大人の生きざまを見せることをもっと意識しなくてはなるまい。