口下手でクラスでも目立たない存在の七実は、公園で出会ったおばあさんに教えてもらいながら、ひそかに俳句を作っている。ある日、遠足に行った先で七実は俳句を作り、こっそりメモしておいた。「さる山のさるにとられた春ぼうし」。この俳句が、市の俳句大会で見事大賞に選ばれたのだが、先生が発表した作者は七実ではなく別の女の子で…。盗作されたと知っても、七実は言い出せず憂鬱(ゆううつ)な気持ちで学校に通う。おばあさんから「嫌なことがあったらそれを俳句にしたらいいのよ」と言われ、自分の気持ちを表現したことをきっかけに、七実は初めて友達と向き合う。五七五に込める俳句の奥深い魅力、友達と心を通わせる楽しさに気付き、心も強くなっていく七実。読者も心温まり、思わず一句作りたくなる。
江戸時代の教育学者、細井平洲の言葉に「人の子を教育するは菊好きの菊を作る様にはすまじく、百姓の菜大根を作る様にすべきこと」というものがある。菊好きは、理想的な好みの形を目指して育てる。百姓は形や大きさにかかわらず「おいしくなあれ」と育てる。最近は、自身が「菊好き」なのでは、と悩む先生たちによく出会う。菊好きから百姓への転換の難しさも、非常に多く見聞きする。
伝統的なカトリック系ミッションスクールだった宇都宮海星女子学院中学・高校は、2023年度に星の杜中学・高校として生まれ変わった。世界10都市以上で海外留学を経験できる制度の導入など積極的にグローバル教育に取り組み、入学希望者も年々増加するなど注目を集めている。また、24年度には全国の私立中学・高校12校とコンソーシアムを立ち上げ、国内留学などの連携も始めた。これらの施策を推進する小野田一樹校長に、学校改革の現状や、私学を中心としたこれからの学校教育の在り方などを聞いた。
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