小学2年生のサムくんは推理が得意。空色のハンカチの匂いを嗅ぐと頭が冴えわたり、これまでいろいろな事件を解決してきた名探偵だ。本書では、クラスメートのタケシくんのなくなった上靴を探す「タケシくんのうわぐつ」、3年生のハルミさんに付きまとう野良犬を調査する「のらイヌのひみつ」など、3つのエピソードが収録されている。全体的に小学校低学年向けらしいポップなストーリーではあるが、公園で遊んでいた隙に盗まれたミクちゃんの大切にしていた人形を探す「きえたおにんぎょう」は、道徳の教科書で扱われても良いと思えるほど秀逸。犯人が犯行に至った“動機”が非常に複雑で、謎が解けたことで得られるカタルシス以上のモヤモヤ感を胸に残す。大人と一緒に読むことで、子供の善悪に対する考え方をより深めることができそうだ。
江戸時代の教育学者、細井平洲の言葉に「人の子を教育するは菊好きの菊を作る様にはすまじく、百姓の菜大根を作る様にすべきこと」というものがある。菊好きは、理想的な好みの形を目指して育てる。百姓は形や大きさにかかわらず「おいしくなあれ」と育てる。最近は、自身が「菊好き」なのでは、と悩む先生たちによく出会う。菊好きから百姓への転換の難しさも、非常に多く見聞きする。
伝統的なカトリック系ミッションスクールだった宇都宮海星女子学院中学・高校は、2023年度に星の杜中学・高校として生まれ変わった。世界10都市以上で海外留学を経験できる制度の導入など積極的にグローバル教育に取り組み、入学希望者も年々増加するなど注目を集めている。また、24年度には全国の私立中学・高校12校とコンソーシアムを立ち上げ、国内留学などの連携も始めた。これらの施策を推進する小野田一樹校長に、学校改革の現状や、私学を中心としたこれからの学校教育の在り方などを聞いた。
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