昔は日本中で育てられ、世界一の生産量を誇ったお蚕さん。今でも養蚕農家として残っているのは、滋賀県と岐阜県の境にある山麓の集落にある一軒だけである。現在でも一家で春と秋の2回、1万頭以上のお蚕さんを育て、糸とりまで行っている。それが生糸になり、真綿にもなる。体長1センチメートルにも満たない生まれたばかりのお蚕さんが、大量の桑の葉っぱを食べて大きく成長し、細い繊維を吐きながら繭になる。その繭から1本の糸が完成するまでの仕事の様子を、写真とともに解説している貴重な1冊である。日頃忘れてしまっているが、糸や綿は命あるものから生まれてくるということに気付かされる。軽くて暖かい布団やジャンパーのぬくもりは、小さな命の暖かさなのだと改めて感じる。ぜひ子供たちにも知ってもらいたい。
江戸時代の教育学者、細井平洲の言葉に「人の子を教育するは菊好きの菊を作る様にはすまじく、百姓の菜大根を作る様にすべきこと」というものがある。菊好きは、理想的な好みの形を目指して育てる。百姓は形や大きさにかかわらず「おいしくなあれ」と育てる。最近は、自身が「菊好き」なのでは、と悩む先生たちによく出会う。菊好きから百姓への転換の難しさも、非常に多く見聞きする。
伝統的なカトリック系ミッションスクールだった宇都宮海星女子学院中学・高校は、2023年度に星の杜中学・高校として生まれ変わった。世界10都市以上で海外留学を経験できる制度の導入など積極的にグローバル教育に取り組み、入学希望者も年々増加するなど注目を集めている。また、24年度には全国の私立中学・高校12校とコンソーシアムを立ち上げ、国内留学などの連携も始めた。これらの施策を推進する小野田一樹校長に、学校改革の現状や、私学を中心としたこれからの学校教育の在り方などを聞いた。
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