いとこの鏡花と一緒に夏休みの〝林間学校〟に参加することになった中学2年生の舞。山奥のレトロな洋館で舞を待っていたのは、スマートフォン没収、自給自足の食材を用いた薄味の食事など、デジタルデトックスを目的とした自然との共生だった。
なじめない学校生活を忘れるためにSNSに依存気味だった舞は怒り心頭。娯楽がほとんど断たれた環境にストレスを感じ、スマートフォンに触りたい衝動に駆られる。しかし、他の参加者と交流する中で、おのおのが抱える葛藤を共有するようになり、次第に満たされなかった林間学校が心のよりどころに変化していく。
オンライン上の交流が一般化した現在。人間らしく生きるため、私たちが忘れつつあるさまざまな物事を思い出させてくれる。
江戸時代の教育学者、細井平洲の言葉に「人の子を教育するは菊好きの菊を作る様にはすまじく、百姓の菜大根を作る様にすべきこと」というものがある。菊好きは、理想的な好みの形を目指して育てる。百姓は形や大きさにかかわらず「おいしくなあれ」と育てる。最近は、自身が「菊好き」なのでは、と悩む先生たちによく出会う。菊好きから百姓への転換の難しさも、非常に多く見聞きする。
伝統的なカトリック系ミッションスクールだった宇都宮海星女子学院中学・高校は、2023年度に星の杜中学・高校として生まれ変わった。世界10都市以上で海外留学を経験できる制度の導入など積極的にグローバル教育に取り組み、入学希望者も年々増加するなど注目を集めている。また、24年度には全国の私立中学・高校12校とコンソーシアムを立ち上げ、国内留学などの連携も始めた。これらの施策を推進する小野田一樹校長に、学校改革の現状や、私学を中心としたこれからの学校教育の在り方などを聞いた。
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