大学で英語教員を養成しながら長年全国の小中高の英語教育の研修講師として活躍する著者が、中学校英語の授業設計の基礎から、新学習指導要領を踏まえた授業づくりを伝授する。
2020年度から小学校英語の開始時期の早期化、教科化がスタートし、学校英語教育の枠組みが小・中・高の連続性の中で再構築されることとなった。「小中高を通じて英語によるコミュニケーション能力を確実に養う」時代を迎えることとなった今、著者は「小学校英語を生かすも殺すも、高校英語での言語活動の高度化の素地を作るのも中学校英語次第だ」と指摘。これからの中学校英語教育は、小学校の「外国語活動」と「外国語科」で何を学び、生徒は何ができて何ができないかをしっかりと把握した上で、小と高を橋渡す中核的な役割を担うこととなる。
新学習指導要領の内容を解説しながら、歌やチャンツを活用した指導事例、コミュニケーション能力の育成を重視したグループ活動やディベート大会などの事例を紹介しながら授業づくりを提案する。構成は、▽新時代の学校英語教育▽授業設計の基礎・基本▽コミュニケーション活動再考▽オーラル・コミュニケーションの基礎・基本―リスニングの指導を考える▽バックワード・デザインによる授業づくりと改善の視点▽英語授業で何を教えるのか―学校英語教育の目的▽英語教師の専門性―若い先生方へのメッセージ――の7章。