「共生社会」や「多様性」を理念に掲げた東京パラリンピックから1年がたった。どんなレガシー(遺産)をもたらしたのだろう。子供たちが共生社会づくり参画へのきっかけとなったのか。
気になるニュースを目にした。パラ競技団体がスポンサーの契約減少により苦境に陥っているという。パラリンピック自国開催で注目度が高まったのに水を差す流れが起きている。国の助成金は増額され支援を継続するそうだが、競技団体の工夫や努力も必要だろう。パラ陸上では協賛企業に選手らを年3~4回派遣し、パラスポーツや共生社会について講演し、企業側は社員教育に生かしている。企業側にメリットなどを説明してきた成果だと自負している。地道な努力がWin―Winの関係をつくっている。
パラスポーツでも将来のアスリート発掘の取り組みが進んでいる。東京大会の影響を受け本気でパラを目指す人が増えている。競技の拠点も整備され、育成・強化の環境も充実の方向にある。
車いすテニスでは国枝慎吾選手の活躍の印象が強く他にはいないかと心配だったが、弱冠14歳でジュニア世界ランキング1位の新星小田凱人(ときと)選手(現在16歳)が登場した。9歳の時に骨肉腫を発症し車いす生活となり、10歳で車いすテニスを始めた。国枝選手も潜在力の高さを認めている。近いうちに両選手が相まみえる姿を期待したい。
学校通信でパラスポーツの選手などを招聘して交流したことを目にした。各学校で触れ合いの機会をつくり継続して共生社会、多様性の理念実現の一歩にしてほしい。