(鉄筆)コロナ禍と子供……

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 「やはり」と思うか、「予想以上」と思うか。文科省は10月27日、「令和3年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」の結果を公表した。30日以上登校をしない「不登校」の小中学生は、前年度から24・9%増えて過去最多の24万4940人になった。

 前年度は、新型コロナウイルスの感染拡大を懸念して一斉休校が行われた状況を含む調査のため登校日数も少なく、不登校だけでなく、いじめや暴力行為も少なかった。今回はそれとの比較になるので、件数は多くなることが予想されたが、不登校が24・9%も増加し過去最多になるとは思わなかった方が多いのではないか。

 文科省はこのような状況を、長引くコロナ禍に起因する心身の不調やストレス、生活リズムが崩れたり欠席することへの抵抗が薄くなったりしていることが影響していると分析している。

 21年5月発刊の(一財)教育調査研究所の研究紀要「コロナ禍における子供の変化と学校経営の改善」では、臨時休校の後、学校が再開されても不安を抱える児童生徒が多いとしている。コロナ禍が子供の健康や生活に及ぼす影響を研究している国立成育医療研究センターでは8月、体の不調と抑うつの関連が強いことを発表。さらに10月には、日本摂食障害学会が、拒食症と診断された小中学生がコロナ禍前の19年から約2倍増えたことをレポートしている。

 今、臨時休校を含めてコロナ禍が子供の心身や生活、友達関係などに及ぼしている影響を総合的に調査して、対策を検討する時期に来ているのではないか。

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