物価の高騰が止まらない。家庭生活に直結する食料品や衣料品、電気料金やガス料金などの値上がりが家計を直撃し、経済的に厳しい状況の家庭も出てきている。9月12日付で文科省は都道府県教委など向けに「物価高騰等に対応した学校給食費の保護者負担軽減について」を通知した。新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の拡充によって創設された「コロナ禍における原油価格・物価高騰対応分」などの活用を周知するとともに、自治体の給食費の保護者負担軽減の取り組み状況を示している。
それによれば負担軽減を実施している、あるいは実施する予定がある自治体は83・2%、その77・3%がこの臨時交付金を活用、または活用の予定でいることが示されていた。負担軽減を実施しない自治体の多くは給食費値上げの予定がないことを理由に挙げていた。
このような中、給食費を無償にする自治体が出てきた。学校給食法第11条では、調理職員の人件費など運営費は自治体が負担し、食材費は保護者負担となっている。文科省は「あくまでも原則であり、自治体が食材費を負担することは可能だ」としている。無償化について保護者は「家計が助かる」と好評のようだ。
GIGAスクール構想に先立って児童生徒1人1台の情報端末を整備した自治体では、用紙代などの予算が削られ学校運営に影響を及ぼしたところもあると聞く。給食費の無償化は膨大な経費がかかる。それを継続させるならば、将来を見通して学校の教育活動に影響がないようにすることが望まれる。