(鉄筆)ギフテッド教育……

(鉄筆)ギフテッド教育……
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 「特異な才能のある子供」への支援策について文科省の有識者会議が提言をまとめた。特異な才能とは「言葉を発する頃から数字に興味を示し、小2で大学レベルの数学にも理解を示す」「科学に突出し4歳で進化論、8歳で量子力学や相対性理論を理解していた」などの状況が報告されている。

 子供たちは「教科書の内容は全て理解していたが周囲の内容に合わせろと叱られ、授業中は暇を持て余していた」「暗算でできるのに式や筆算を書かされるのが苦痛」「知能は早熟だが感情のコントロールができないので他の児童とささいなことで言い合いになる」などの困難を感じている。

 特異な才能は海外では「ギフテッド」と呼ばれ、定義は国によって異なる。ギフテッド教育は「英才教育」と「支援型」に分かれている。有識者会議は特異な才能のある子供たちが抱える困難に着目、その解消につなげる「支援型」の提案をしている。特定の基準や数値で才能を定義しないのは、選抜につながり過度の競争の発生を避けるためだ。

 座長の岩永雅也放送大学学長は「教員の負担を今以上に増やさないという意味でも、スクールカウンセラーら専門家が判断を担い、『この児童生徒は対象だ』と教員に伝え、指導を支援する仕組みを考える必要がある」と語っている。

 国は来年度から実践事例の収集を始める。学校では教師も困っている。教室の中では、困っている子供、周囲の子供、教師が特異な才能の理解に努め、多様性を大切にして、どうすればよいかを相談し共生の在り方を探る集団づくりも必要ではないか。

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