風さわぐ北のまちから 少女と家族の引き揚げ回想記

風さわぐ北のまちから  少女と家族の引き揚げ回想記
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 第二次世界大戦中、日本の統治下にあった朝鮮に暮らす家族が、敗戦後奇跡的に日本に帰り着くまでを描いた実話。話は、11歳のれい子の回想記として進んでいく。

 1945年8月、日本の敗戦により、朝鮮に暮らす日本人は突然「外地」に取り残された状態になった。

 11歳のれい子と母、兄弟の6人は、朝鮮半島を二分した北緯38度線の北側の港町・鎮南浦で厳しい冬を迎える。寒さと食料不足、ソ連兵による略奪、北朝鮮の建国の混乱など、朝鮮にいた日本人が敗戦によってどんな状況に置かれていたか、れい子の目を通して鮮明に描かれる。混乱の中でも人情にあふれる朝鮮の人たち、隣り合って住んだソ連軍大尉との交流なども描かれ心にしみる。戦争を考えるきっかけとして多くの人に手に取ってもらいたい。

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