先日、中学校の教育実習から戻った学生が「うわさ通り学校はブラックでした」と嘆いていた。聞けば実習期間中の退勤時間が毎日午後8~9時だったという。その学生いわく「学校がこのままの状態であれば誰も教員を希望しなくなりますよ」。
そんな声を反映するかのように、本紙が教員を対象に行ったアンケート調査では給特法改正より教員配置拡充を望む声が多かったという(電子版11月9日)。現場の切実さが伝わってくる。
そこで文科省の来年度の概算要求をみると「教師等の指導体制の充実と働き方改革の推進」として小学校35人学級及び教科担任制の推進に1兆5015億円、学校における働き方改革の推進のための支援スタッフの充実に318億円が計上されていた。さらに疑問が湧いた。「中学校の35人学級実現はどうなったのか」。
萩生田元文科相の時代に学校関係者念願の小学校35人学級が義務標準法の改正により実現した。次は中学校と期待したが標準法改正時に小学校での効果の検証が附則事項として明記され、中学校に待ったが掛かった。当時萩生田文科相は「決してこれで終わりではない。中学校も少人数学級の必要はあり努力を続けていきたい」とコメントしている。
その萩生田氏が所属する自民党内に「令和の教育人材確保に関する特命委員会」が立ち上げられ同氏が委員長に着任。先日本紙のインタビューで「あのときの文科大臣だった萩生田が先頭でやるのだから本気で出口を作る」と力強いコメントを送ってくれた。再び辣腕をふるってくれるのか、注目したい。