NPO法人日本持続発展教育(ESD)推進フォーラムが主催する「第13回ESD大賞」の表彰式に先日参加した。当社も後援しているが、ESDに積極的に取り組む学校の優れた実践を顕彰するイベントである。今年度は東京家政学院中学校・高等学校が最高賞である文部科学大臣賞を受賞した。
わが国でもSDGsが社会的な広がりを見せ多くの企業が積極的にさまざまな形で参加し盛り上がりを見せているが、学校教育の世界ではESDとしてすでに多種多様な実践を蓄積している。
同会には毎年参加しているが、最近の審査で目を引くのは高校(中高一貫校を含む)の取り組みである。校種の特色からか、これまで高校の実践は教科や部活動の域を出ないものが目立ち学校全体としての活動の印象が薄かった。
ところが最近はESDを学校の教育目標に関連付けるとともに全体計画など教科等横断的な活動としてのカリキュラムも設定。地域での異校種・異年齢との連携・交流を図った地域社会への貢献型の活動や企業や自治体との連携を図った国内全体あるいは世界への発信型の活動といったダイナミックな展開が多くなった。
本来、初等中等教育というのは「義務教育までにバランスよく培われた資質・能力を高等学校教育を通じて更に発展・向上させる」(中教審答申)といった系統的・体系的なものである。それが現行の学習指導要領の登場で「社会に開かれた教育課程」としてようやく結実されようとしている。ESDのような教育がこれからも広がりを見せることを期待したい。