このたび、本校のESDに関する取り組みに対して、NPO法人日本持続発展教育推進フォーラム主催の「ESD大賞」として文部科学大臣賞を受賞することになった。これは、小中高校の持続可能な開発のための教育(ESD)の優れた実践を顕彰するものである。
生徒にとっても、教職員にとっても大いに励みとなる。
私は、ESDは全ての学校で取り組むべきものと常々考えている。幸い、このたびの学習指導要領の改訂において、学校教育におけるESDの取り組みに関する環境が整えられた。学習指導要領の「前文」に『これからの学校には、(中略)豊かな人生を切り拓き、持続可能な社会の創り手となることができるようにすることが求められる』とESDに通底する趣旨が示された。
さらに、「総則」には、「前文」の趣旨を実現するための教育課程とするよう「持続可能な社会の創り手」に関わる教育活動が具体的に実践できるように構成されている。
本校におけるESDに関する取り組みは、学習指導要領改訂を機に、カリキュラムマネジメントの視点に立って中学・高校の教育課程を全面的に見直すとともに、「主体的・対話的で深い学び」の実現を図る授業改善に取り組むことから始めた。
各教科・科目などのそれぞれの目標や特性を生かしながらも「前文」や「総則」に示す「持続可能な社会の創り手」につながる教育活動となるよう「いつでも、だれでもESD」の態勢の元に取り組んでいる。
ESDの目標・教育活動などに関しては、ユネスコスクール全国大会などの機会に示されているが、生徒一人一人がESDの活動を通して持続可能な社会の創り手としてふさわしい資質や価値観を養うことのできる生徒の学びが成り立つことが重要であると考えている。
ESDに関わってSDGsが社会で話題になり始めてから、地域の公的機関や企業などが学校教育に理解と関心を示し始め、現代的な諸課題に対応した生徒の学びが実践的で深い形として行われるようになった。
私立学校でありながらも地域社会と深く関わり、「いつでも、誰でもESD」の推進に向け、今後も精進していきたい。