(鉄筆)国枝慎吾選手が引退……

(鉄筆)国枝慎吾選手が引退……
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 「俺は最強だ」。パラリンピックのシングルスで金メダル3個、ダブルスで金1個、銅2個。4大大会シングルスのタイトル数、全豪11、全仏8、全米8。そして昨年、ウィンブルドンを制覇して「生涯ゴールデンスラム」を達成。日本のパラスポーツの第一人者、車いすテニスの国枝慎吾選手が引退した。

 世界ランキング1位での引退はカッコイイ。「もう十分にやりきった」「最高の車いすテニス人生」と語っている。車いすテニスだけでなくパラスポーツ全体を「もっと多くの人に知ってほしい」と常に意識していた。勝ち続けてニュースで取り上げられパラスポーツの価値を高めた。マスコミで知りパラスポーツに目を向けた人は多いだろう。

 2009年に日本のパラ選手で初のプロ転向。大丈夫なのかと心配した記憶がある。「見ていて面白ければ『コンテンツ』として生き残れる」との思いで戦い抜いた。

 プレーに迷ったときや不安で眠れないときに出た言葉が「俺は最強だ」。「コート上では一人ですが、常に皆と一緒に戦えたチーム力の勝利でもありました」と人々に支えてもらったことに感謝する。

 国枝選手に国民栄誉賞が贈られることが決まった。パラ選手の受賞は初めてだ。授賞理由は「前人未到の快挙を成し遂げ、パラスポーツの社会認知度の拡大、スポーツの発展に極めて顕著な貢献をし、広く国民に夢と感動を、社会に明るい希望や勇気を与えた」ことによる。「これまでの経験を生かしてスポーツ界や社会に少しでも貢献できるよう活動していきたい」と語る。新たな飛躍を期待したい。

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