(鉄筆)部活動指導者の資質改革……

(鉄筆)部活動指導者の資質改革……
【協賛企画】
広 告

 先日、千葉県船橋市にある市立船橋高校の男子バレー部の顧問教員が部員への体罰の疑いで警察に逮捕された。同県では昨年6月にも県立松戸高校の女子バレー部顧問が体罰で逮捕されたばかりだ。

 今回の事案について学校や教育委員会はその内容を十分把握しておらず警察が直接強制捜査および逮捕に踏み切っており、管理者側の危機管理体制や同校の隠蔽(いんぺい)体質にも批判が向くと思われる。

 同市教育委員会と同校では、逮捕後に記者会見を開いた。そこで記者から昨年の松戸高校での事案後に行った同校での指導についての質問が出たが校長が同部の練習の様子を見に行くなど実態把握に努めた様子はうかがえない。

 こうしたスポーツ名門校で度々起こる体罰事案からは共通点が見いだせる。それは、指導者も管理者も勝利至上主義優先の認識を持っていること、故に常勝チームの指導者が絶対的存在となり学校全体が不祥事を見て見ぬふりをする隠蔽体質になっているという点だ。今回の顧問教師は同校赴任以来異動がなく約43年間在籍している点もこうした体質を作り上げる一因となっている。

 中学校や高校で厳しい指導の下でスポーツをしてきた子供が、卒業後そのスポーツから離れるケースが最近多いと聞く。新しい時代の名指導者とは、選手の資質・能力を把握した上で選手自らが「主体的・対話的で深い学び」をするように支援する人間を指す。部活動改革が叫ばれる中、教員を含む古い認識を持った部活動指導者の資質改革も必要だということを今回の事案は教えてくれている。

広 告
広 告