多様性を認めようと頭で理解はできていても、さまざまな個性や価値観を認め合うという経験はまだまだ不足しているのではないだろうか。ジェンダーなどの多様性をどう受け入れ合って生きていけばよいか、子供の目線から強烈なメッセージとして伝えてくれる物語である。
「男の子」「女の子」という枠組みに違和感があり、学校ではまるで存在を消すかのように過ごす主人公の「うま」。学校生活の中で感じる矛盾や理不尽さを静かに見つめ続けた「うま」が、ある出来事をきっかけに、もっと自由で自分らしくありたいと一歩を踏み出すまでを描く。
物語に登場する大人の発言、様子に思わずはっとする場面も多く、「誰もが認められ、誰もが自分らしくいるためには」を深く考えさせられる。
江戸時代の教育学者、細井平洲の言葉に「人の子を教育するは菊好きの菊を作る様にはすまじく、百姓の菜大根を作る様にすべきこと」というものがある。菊好きは、理想的な好みの形を目指して育てる。百姓は形や大きさにかかわらず「おいしくなあれ」と育てる。最近は、自身が「菊好き」なのでは、と悩む先生たちによく出会う。菊好きから百姓への転換の難しさも、非常に多く見聞きする。
伝統的なカトリック系ミッションスクールだった宇都宮海星女子学院中学・高校は、2023年度に星の杜中学・高校として生まれ変わった。世界10都市以上で海外留学を経験できる制度の導入など積極的にグローバル教育に取り組み、入学希望者も年々増加するなど注目を集めている。また、24年度には全国の私立中学・高校12校とコンソーシアムを立ち上げ、国内留学などの連携も始めた。これらの施策を推進する小野田一樹校長に、学校改革の現状や、私学を中心としたこれからの学校教育の在り方などを聞いた。
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