「まるで漫画を見ているようだ」という声が聞こえた。ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の準決勝メキシコ戦の村上選手のよみがえりの逆転サヨナラ打。決勝アメリカ戦の9回2死、大谷選手とトラウト選手の真剣勝負など。7試合全勝で14年ぶり3回目の優勝。
全選手に「楽しく」と呼び掛け助言して回ったダルビッシュ選手。二刀流で先頭に立ちゲームを作った大谷選手。ペッパーミルでチームを盛り上げたヌートバー選手。強いチームにはチームリーダー、ゲームリーダー、ムードリーダーがいる。その通りだった。頼りになる吉田選手や岡本選手、若手の投手陣ら全選手が献身的なプレーで日本野球の素晴らしさを満喫させてくれた。
このチームを作ったのは栗山英樹監督。東京学芸大学を出てドラフト外でヤクルトスワローズに入団。苦労を重ねながらゴールデングラブ賞を獲得。キャスターや大学教授を経て日本ハムファイターズの監督を10年務め日本一にもなった。
西鉄ライオンズなど3チームを日本一にした三原脩さんを師と仰ぎ、三原マジックを研究。結果、作戦はマジックではなくとことん突き詰めて考えたもので根拠があると学んだ。三振してもエラーしても怒ったり非難したりはしない。選手を信じ思い切りプレーさせることが信条。今回も選手の話をよく聞いたそうだ。
新しいリーダーの姿とも言われている。校長もその姿を学び学校経営に生かしたい。一人一人の話をよく聞き、一人一人の力を信じ、自ら発揮できるようにする学校づくりにチャレンジしよう。