(鉄筆)35人学級が……

(鉄筆)35人学級が……
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 小学校では、1年生の1学級の定員上限が35人、2~6年生が40人とされていたが、2021年の法律改正で全ての学年で1学級の定員上限が35人となった。21年度の2年生から25年度の6年生まで年次進行で35人学級が進められている。

 これは21年度の中教審答申において「児童生徒一人一人の特性・学習定着度に応じたきめ細かな指導の充実」「身体的距離の確保」に向けて、少人数によるきめ細かな指導体制が求められたことが背景にある。

 個別最適な学びを充実させるためには、1学級の児童生徒数が少ない方がよい。しかし、ある県では今年度、中学2・3年生の学級の人数の上限を35人から38人に引き上げざるを得ないという。この県ではこれまで少人数教育に力を入れ、県全体で35人学級を導入し実施してきたが、教員不足のためにこの決定をした。この背景には教員志望者の激減と教員の高齢化があった。

 国においては現在、給特法についての論議がなされている。教員の処遇を改善することは非常に大切なことである。それと同時に教員の働き方を改善していくことも必要である。

 「令和4年度教育委員会における学校の働き方改革のための取組状況調査」では、小学校の約4割、中学校の約半数で時間外勤務が45時間を超えていた。学校では働き方改革を進めているが、学校の努力だけに期待するのは無理がある。国や教育委員会は、学校が行う仕事の総量を減らす方策を検討するとともに、教職員定数を改善し、質の高い教員をより多く配置できるようにすることが求められる。

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