英語教師に向けた「成長支援書」として2011年に刊行された本書が、学校教育や教師教育の最新動向、学習指導要領の大改訂などを踏まえ改訂版としてアップデートされた。教師としての成長のプロセスを示しながら、生徒の指導を通して教師自らも成長し続けられるようサポートする。
第2章「初伝」では、まず英語授業を行う上での基礎・基本となる知識や視点を授業過程に沿って取り上げる。英語授業のウォームアップ活動や文型・文法指導のアプローチ、教科書本文の口頭導入法などについて詳しく解説する。
第3章「中伝」では、学習指導案から授業展開を想像し、次に具体的な授業展開をイメージしながらその問題点を探ってより良い授業改善につなげる「指導案分析演習」を行う。問題意識を持って取り組むことで、教師としての成長に欠かせない「授業分析能力」と「授業改善能力」を伸ばすことを目指す。
最終章となる第4章「奥伝」では、全国学力・学習状況調査の結果に見られる生徒の英語学力の問題点を分析。その対応策を考えるために「アクション・リサーチ」と呼ばれる授業改善方法を紹介する。
章の途中に合計21個の「Self―development Task」という課題があり、英語指導を考える上での疑問を投げ掛けた上で「Check It Out」で解説する。研究・実践事例を中心としたコラムも10個掲載されており、英語指導について大変学びが多い1冊である。