(鉄筆)インドネシアを訪問……

(鉄筆)インドネシアを訪問……
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 天皇、皇后両陛下が国際親善のためインドネシアを訪問した。外国訪問は即位後初めてで、2人で臨まれるのは2002年以来。

 陛下は訪問前の記者会見で、特に関心を払っていきたい点として3つ上げていた。第1は両国の間に培われてきた交流の歴史に思いをはせること。第2は訪問を契機として両国の若い世代の交流がより一層活発になり、両国間の交流と友好親善がさらに深まること。これらは大きな成果をあげたようだ。

 第3はライフワークの水問題の研究に関して、ジャカルタのプルイット排水機場などを訪れ取り組みの理解を深めること。同排水機場は1963年に建設され、ジャカルタ中心部を洪水から守る役割を果たしてきたが老朽化で機能喪失。日本が政府開発援助(ODA)で約20億円掛けて改修した。

 改修工事に関わった人は「水害対策という、目立たないけれど重要な役割を果たしている施設に光を当てていただき、大変ありがたい」と語ったことが報じられていた。建設当時の図面が残っていない、着工後に見つかった土中のコンクリート廃材のため設計を4度も変更、工事半ばで大洪水に見舞われ復旧作業に追われたなど、苦労の連続だった。改修後はジャカルタで大きな洪水被害は起きていない。

 表舞台の交流・親善も大事だが、今回の訪問は洪水対策や上下水道の整備など地道な事業をクローズアップした。こうした地道な交流・親善の努力や姿を学校の社会科や道徳科、総合的な学習などで、子供たちに学んでほしい。若者の交流の基盤となり花開くときが来る。

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