先日、韓国政府が大学入試の選考にいじめに関わった記録を反映させる方針という新聞記事を読んだ。同国首相は「加害生徒にいじめの責任を必ず負わせる」とコメント。いじめに対して毅然とした態度で臨むことは大切だ。韓国政府の方針は一定の抑止力として期待できるが、いじめがより一層巧妙に行われ、見えにくくなることも懸念される。
わが国においても、いじめの認知件数、重大事態の発生件数が増加しており、いじめ問題の解決は喫緊の課題である。文科省は「いじめ問題への的確な対応に向けた警察との連携等の徹底について」と「いじめ重大事態に関する国への報告について」の2つの通知を出した。子供の生命にも関わることであり、これらの通知の重要さは十分に理解できる。
それとともに、児童生徒がいじめを起こさないようにする方策を講じることが大切ではないか。道徳や学級活動を中心に一人一人の子供にいじめをしない力を育てるとともに、いじめが起きない校風や伝統をつくり上げていくことが必要である。
いじめ防止のサミットを開いたり児童生徒集会を開いたりして、子供自身がいじめについて考え、意見を交換する取り組みをしている学校や自治体もある。大切なのは、それをきっかけとして子供自身が主体的にいじめ防止の取り組みを継続させていくことである。
いじめは、子供が行う行為である。このような取り組みの効果は相当の時間が経過しないと表れないが、いじめに対する児童生徒の行動や考え方を変えるためには大切なことである。