教師生活50年の中で、各時代に適した教育方法を実践してきた筆者が、常に行ってきた100種類にも及ぶ心構えや表情、声掛けを紹介する。
1ページごとにマインドセットやアクティングを簡潔に示す。「今日はこれとこれを取り入れてみよう」と無理のない範囲で、気軽に授業に導入できるものばかり。なにより、隙間時間に効率的に授業の土台を吸収でき、多忙を極める教師にとってはありがたい構造になっている。
具体的な内容は、授業中の立ち位置、話し合いさせた時の教師のポジショニングという教室内での動き方。手遊びや立ち歩きをする子供への対応、意識を授業に向けさせる問い掛けなど、集中力を持って授業に参加させるためのテクニックまで幅広い。学級崩壊だけはなんとしても阻止したいが、そのリスクの芽を摘むためにやるべきことがまとめられている。
教師が録音した音声ファイルをタブレットに送って家でも音読の宿題に取り組めるようにしたり、紙版教科書とタブレットをどちらも活用した授業を提案したりと、ICT活用を踏まえた上での基本も掲載。さまざまなシチュエーションに応じたアイデアが並び、今抱えている授業の悩みを解決するヒントが隠されているはずだ。
「主体的・対話的で深い学び」「個別最適な学びと協働的な学び」をテーマにした授業が求められる今、時代を問わず子供の健やかな成長を育む基本が書かれている。