それってホントに子どものため?

それってホントに子どものため?
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 SNSなどの普及によって子育てに関する情報に簡単にアクセスできるようになり、情報の取捨選択に頭を抱える保育者は少なくない。そんな保育者に寄り添い、現場目線にこだわった参考書である。

 5つのテーマごとに分かれ、一問一答形式で悩みに対する考えを示す。序盤は子どものしつけに関する内容で、「子どもになめられている気がします」「椅子や机の上に乗ってしまいます」という誰もが経験したトラブルが並ぶ。しかし、これらに筆者は明確な答えを提示するわけではない。例えば、「食べ物の好き嫌い、どうしたら」といった問いには「それでもダメなものは、やっぱり嫌いなのです。生涯食べないものがあっても、いいのではないでしょうか」と子どもの気持ちを尊重したアイデアを記す。考えを押し付けるのではなく、最終的な判断は読者に委ねており、保育者としての考える習慣を定着させられる。

 また、「悪いことをしたら、謝らせるべきですか」「靴を隠す子、どうしたらいいですか」といった子どもとの接し方、さらには「担任同士がいい関係になれません」「保護者からの注文、どこまで対応しますか」など守備範囲がとても広い。世代によって価値観や考え方が異なるため、同僚とのコミュニケーションに手を焼くケースは珍しくない。加えて、家庭の在り方も多様化しており、保護者対応の難しさも増した。今後保育者として働く上での羅針盤になる一冊だ。

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