(鉄筆)GIGAスクール構想から4年……

(鉄筆)GIGAスクール構想から4年……
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 GIGAスクール構想から4年。2022年度終了の「教育のICT化に向けた環境整備5カ年計画」が2年間延長され、地方への財政措置も継続されることになった。各自治体は一安心というところだが学校現場はそれどころではない。端末(タブレット)の活用が思わしくないのだ。

 文科省の調査によれば、22年度における小学校の端末の活用率は、「ほぼ毎日活用している」でトップの山口県(78.3%)と最下位の岩手県(22.7%)では大きな差がみられ、21年のデジタル庁などの調査では教員のほぼ半数が効果的な活用方法が分からないと答えている。原因は研修時間やICT環境、デジタル教材などの不足・未整備とみられるが、より深刻なのは教員の授業力不足であろう。

 中学・高校の授業でいまだに穴埋め式のワークシートを使っての講義型授業を行う教員がいる。これではICT機器本来の目的である子供たちの多様な学びに対応する授業はできない。

 視聴覚機器すらなかった時代でも高い授業力を持つ教師は、自作の教材・教具を製作し子供たちに分かる授業・考えさせる授業を提供していた。その後視聴覚機器、パソコン、ICT機器が登場しても彼らは効果的に使いこなした。彼らに授業の基礎・基本が備わっていたからだ。

 学校の多忙化はよく理解しているが、ここは子供にとって「分かる」「考える」「学ぶ」授業を校内全体で追求した上でICT機器の有効な活用法を習得する体制を構築すべきではないか。AIが教師に代わる授業者とならないためにも。

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