読者の中にもChatGPTなど生成AIを使っている方がいらっしゃるだろう。筆者が使ってみて感じたのは、プロンプトの出し方でかなり回答の質が変わることだった。また、生成AIの回答には誤りがあるとされている。最初はそのことに注意していたが、滑らかな言い回しに気を許し、次第に内容の真偽に注意しなくなっていた。
生成AIの使用につき、大学などから機密情報や個人情報は入力しない、生成した文章をそのままレポートとして提出しないなどの見解が出されてきた。小中高生向けの作文などのコンクールでも募集要項に生成AIの使用を禁止や制限する旨を記すケースが出ている。
7月には文科省からも「初等中等教育段階における生成AIの利用に関する暫定的なガイドライン」が出され、生成AIの活用が適切でない例と活用が考えられる例が示され、小学校段階での利用は慎重であるべきだとされた。
生成AIに関するいくつかの論議を見ていると、その利用の可否に関するものが多いように感じる。夏休み前、学校には教育関係団体などから作文や読書感想文のコンクールへの応募依頼が来て、夏休みの課題として課すことが多い。先生方は、作文や読書感想文を書かせる狙いをきちんと考えていると思う。一方、「なぜ本を読むのか」「なぜ読書感想文を書くのか」などを理解している子供は少ないのではないか。
生成AI利用の可否以前に、これらを十分に子供が理解することが大切だ。そうでないと読書感想文を書くこと自体が目的となり、教育的な意義が失われる。