子ども・若者の居場所と貧困支援 学習支援・学校内カフェ・ユースワーク等での取組

子ども・若者の居場所と貧困支援 学習支援・学校内カフェ・ユースワーク等での取組
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 日本の相対的貧困率は先進国の中ではとても高く、約7人に1人の子どもが貧困状態にあると言われている。本書では、貧困のために日々の学習や生活に困難を抱えている子ども・若者を支えるアイデアとして、高校内居場所カフェやユースセンターなどの取り組みを紹介。「関係づくり」を軸にした子どもの支援策を提示する。

 章ごとに執筆者が異なり、大学教授やNPO法人の代表者など幅広い。序盤は行政が学習支援事業を実施する際の現状、そこから「オンラインを活用した支援では家庭ごとに通信環境や周辺機器に差異があるため、適切な支援を講じられない」「学習支援の質を評価することが容易ではないため、どのように委託事業者を選定すべきかを見いだせていない」といった、浮き彫りになった課題を複数の識者が論じる。

 中盤は貧困家庭や海外にルーツを持つ家庭、さらにはコロナ禍の影響によって日常生活でストレスを抱えやすくなった子どもなど、多様化した子どもの現状をひも解く。その上で、学習支援が成果につながった事例を挙げ、実践的な方法論を学べ、改めて学習支援が持つ可能性を感じることができる。

 終盤は「居場所」に特化した実践がまとめられ、〝サードプレイス〟が大人だけではなく、子どもにも必要なことに気付く。コロナ禍によって孤立化が進んでいる今だからこそ、居場所というトピックに注目しなければいけない、その必要性を強く感じさせる。

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