(鉄筆)「話す力」の平均正答率……

(鉄筆)「話す力」の平均正答率……
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 今年度の全国学力・学習状況調査の英語の結果について「話す力」の平均正答率が著しく低いことが話題となっていた。それ以上に気になったのは英語の「社会的な話題について自分の考えや理由を表現すること」と国語の「文章を読んで理解したことなどを知識や経験と結び付けて自分の考えを広げたり深めたりすること」で課題があるという点だ。

 これらはPISA調査(2018年)における「読解力」でも似たようなことが指摘されている。文科省は、現行の学習指導要領で汎用的能力の必要性を訴え「主体的・対話的で深い学び」の導入を強調した。それにも関わらず今回の調査結果を見る限り改善されているとは言い難い。

 一方で同調査では、その「主体的…」の実施状況は年々増えている。考えられるのは「主体的…」は外面的には実施されているが「真の学び」にはなっていないのではないかということである。扱う学習内容が自分たちの生活にどう関わりがあるのかという視点で教師は発問を組み立て適切な教材を用意しているのだろうか。言い換えれば教科書だけの授業ではなく教材研究といったプロの教師がやるべき味付けをしているのかということである。

 ただ授業者からは、手間を掛け「真の学び」になるための教材研究の時間を文科省は与えてくれているのかという声も聞こえてきそうだ。

 12月に発表される22年のPISA調査の結果を待つ前に「真の学び」を深く追求すること、そのための条件整備を考えていく時代が来ていることを学校も国も自覚すべきだ。

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