「概念型のカリキュラムと指導」公認トレーナー
この1年ほどの間に、東京以外の地域でも概念型探究のワークショップや研修をする機会が増えてきています。IB(国際バカロレア)校以外で教えている方々が興味を示してくださったり、実践に取り掛かろうとされたりしていることを本当にうれしく、また心強く感じています。
前回は、概念型探究を続けてきた子どもたちの成長と変容についてお伝えしました。今回は、その過程でどのようなことを心掛けていくべきなのかについて考えていきましょう。概念型探究の単元に取り組んでいるときだけでなく、日頃の教育活動全般にわたって取り入れていくとより効果的です。
前回、前々回と、小学4年の社会科の単元を概念型探究にデザインし直すときのポイントをお伝えしました。では、このような学習活動を重ねてきた子どもたちはどのように変わっていくのでしょうか。
前回、「玉川兄弟」を例に挙げて、概念型探究のデザインについて述べましたが、「玉川兄弟」が成し遂げたことについて知ることと、「玉川兄弟」を通して「発展」や「貢献」についての理解を構築していくこととでは、当然のことながら単元の焦点が変わります。そうして焦点を変えて単元をデザインしていくことが、従来の授業から概念型探究へと切り替えるための重要なポイントとなります。
前回は、学習コミュニティーの中で概念を形成・拡張することが持つパワーについて触れました。今回と次回は、そのような学習活動をどのようにデザインするかについて見ていきましょう。
今回は、第4回の最後に出てきた「地味な活動の積み重ね」について、もう少し掘り下げてみたいと思います。なぜ今、こんなにも探究の重要性が叫ばれているのでしょうか。探究の真の価値はどこにあると皆さんはお考えですか?
第3回では、皆さんに「知っていること」と「理解していること」の違いについて質問しました。「小学1年生の『季節』を例に考えてみてください」と投げ掛けたところで、前回は終わってしまいました。
前回は、概念型探究は学習者が自ら概念的理解を構築するための探究型学習であるという点で、他の探究型学習とは違うということをお伝えしました。今回は、この概念的理解ということに焦点を当てていきたいと思います。
前回の記事を読まれた方は、「で、結局、概念型探究って何?」と思われているかもしれません。今回は、まずはそこを明らかにしていきましょう。
私が公立小学校の教室で概念型探究を見よう見まねで始めたのは15年ほど前です。今振り返ってみると、本当に勢いだけでやっていたような拙い授業だったのですが、子どもたちの反応がとても良かったことが、私がここまで続けてこられた大きな原動力となっています。もともと一生懸命に取り組む子どもたちでしたが、学習活動に向かう姿勢が明らかに前のめりになり、学習感想の質も変わっていきました。「あぁ、学ぶことを本当に楽しんでいるんだなぁ」と強く思ったことを今でも覚えています。
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