【話し合いの場づくり(2)】まず人間関係づくりの時間を持つ

株式会社博報堂H-CAMP企画推進リーダー 大木 浩士
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「まずは、お互いを知り合う時間をつくってほしい!」

学校の授業で話し合いを体験した生徒たちから寄せられる、強い要望です。

 

H-CAMPでは、中高生たちと「授業の課題を解決する」をテーマにアイデア会議を行うことがよくあります。

“授業で行う話し合い”について意見を聞くと、多くの生徒が“強い緊張感”を課題として述べます。

緊張をつくる一番の要因は、「話をする相手と人間関係ができてないから」だそうです。

どんな人か分からない。その相手に、自分の内面をさらけ出し、意見を述べなければならない。

確かにこれは、大人でも相当なストレスになります。

 

授業で行う、生徒同士の話し合い。まず配慮すべきは、話し合う相手との人間関係づくりです。

科目のことはいったん脇に置いておき、お互いを知り合う時間を丁寧に持つ。

それが、話し合いの質を高めるための秘訣です。

 

近くの人とペアになる。または、3人から4人のチームになる。

椅子の配置は、お互いの顔が見えるよう、スクール型からアイランド型(島型)に変えます。そうすることで、授業に対する受け身的な気持ちに、変化が起こります。

生徒同士の自己紹介。

まずは、相手の顔を見ながら「よろしくお願いします」とあいさつをし、話しやすい話題からスタートします。

フルネーム、誕生日や血液型、部活や出身校などを順番に話していきます。

1人が話し終えるたびに、チーム内で小さく拍手をすると、チームに一体感が生まれます。

 

基本情報を紹介し合い、場が少し和やかになったら、次は「好き」をテーマに情報交換を行ってみます。

最初は、自分が好きなことやハマっていることを、一人ずつ紙に書き出します。時間は3分程度が目安です。

その後、チーム内で書いたことを紹介し合います。

自分の内面に関することを人に話すのは、とても怖いものです。

そのため、話し合いの前には次回ご紹介する「話し合いのルール」を伝え、安全で安心できる場をつくります。

話し合いの際、紙に書いたことを読むだけでなく、質問をしたり、話が脱線したりすると、生徒たちの顔に笑顔が生まれます。

話し合いの時間は、10分間から15分間が目安です。

 

実は、博報堂の社員が行うブレストでも、最初にお互いを知り合う時間を持つようにしています。

近況を報告したり、気になる話題について雑談をしたりする。

本題とは関係のないその時間が、とても大切だと私たちは考えています。

その場にいる人同士の理解を深め、気心が知れた関係をつくることが、発言しやすい環境をつくるためにとても有効だと知っているからです。

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