【ICT支援員の仕事と役割(8)】ICT支援員の「見えない」重要な仕事

合同会社かんがえる代表 五十嵐晶子

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 ICT支援員を描いたイラストは、授業でも職員室でも先生に寄り添っているものが多く、先生を補助するイメージを持たれていますが、実際の業務は他にもあります。

 先生は1校に数十人いるのに対し、ICT支援員はほとんどが数校に1人です。そのため、全ての授業に毎日サポートに入るのは難しいものがあります。授業支援だけがICT支援だという固定観念があると、何を頼んでよいのか分からないかもしれません。

 もちろん、ICT支援員にはなるべく頻繁に学校を訪問してもらうことをお勧めしています。しかし、予算によっては週1回、あるいは月1回という場合もあるでしょう。そのため、できないことを望むより、それぞれに合った支援は何かを検討する必要があります。

 本連載の第2回で紹介した4つの役割をどのように配分するかは、支援をスタートする前に全て固定してしまうのではなく、訪問した学校の様子を個々に委員会に報告して、柔軟に検討していくことが大事です。学校の地域性や活用度合によっても、できることは変わります。

 例えば、月1回の頻度で支援員が訪問する場合、ある中学校では美術や家庭科など、週当たりの時数の少ない実技教科でICTを使うときに支援に入ってもらっていました。それに対して他の中学校では、月に1回、疑問をまとめて聞く日にしていました。その他に、授業中に校舎内を巡回し、困っている先生に声を掛けてもらうことでコミュニケーションを深め、活用提案をしている学校もあるそうです。

 高校において、ICT支援員の仕事で最も多いのは「環境整備」です。「授業支援」が多い小学校、「校務支援」が多い中学校でも、これらが円滑に進むためには、やはり安定した環境整備が重要です。

 また、それとともに必要なのが「業務報告」です。「環境整備」とは物理的な整理整頓、メンテナンス、清掃などの他、予備機のアップデートができているかの確認、端末の紛失がないかの棚卸し、使用不能な機器の有無のチェックなど多岐にわたりますが、そうした各校の状況を教育委員会に正しく報告することで、「環境整備」はより充実したものになります。ICT支援員が現場で見聞きしてくる重要な情報を教育委員会に正確に報告することは、現場の先生方からは見えない支援ですが、現場の困り事を解消に導く手助けになっているのです。

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