【不登校・苦登校のリアル(1)】不登校の原因論

郷原徹志 NPO法人レイパス代表理事

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 レイパスは、不登校の子どもたちが通うフリースクールです。本連載では、不登校現場の最前線から捉えた「子どもたちの困り」に迫っていきたいと思います。

 まずは、私自身の経験からお話します。私は中学2年生の時にいじめの被害に遭い、2カ月間学校を休んでいました。いじめを受けたことから学校へ行くことへの不安が高まり、身体症状として嘔吐(おうと)が続き、学校を休みました。

 不登校について考えるとき、不登校の原因に焦点が当たります。それは原因を捉えて改善するためですが、この原因について、フリースクールに通う子の例で考えていきます。

 不登校について相談を受けたとき、初めに親御さんから聞く原因として多いのは人間関係です。「友達からからかわれている」「仲の良い子がいない」といったもので、中には大変深刻なものもあります。

 もう一つよく聞かれるのが、身体症状が出ていて学校へ行けないものです。「朝起きられない」「お腹が痛いと言ってトイレにこもっていて」などです。そこからレイパスに来ていただき面談をしていくと、もう少し状況が分かってきます。からかいがもう何年も続いていることや、低学年から行き渋りがあったことなどです。「そういえば…」「今思い返すと…」と、次々と明らかになってくることがあります。

 また、レイパスに通ううちに、本人が自分から不登校について話すこともあります。「学校は合わない」「嫌な人がいる」などです。その気持ちに寄り添うと、「中学に入って校則がきつくなったし、先生が威圧的」「○○っていう子がいつも嫌なことを言ってくる」といった具体的な内容を話してくれることもあります。

 さらにレイパスでの生活が続く中で、自分の苦手という視点から話してくれる子も出てきます。「音がうるさいのが苦手」「字を書くのが苦手」などです。教室で先生が、他の子に注意するのがうるさい(怖い)という子がいたり、他の子が授業中にしゃべっているのが気になったりしてイライラしてしまうという子もいます。

 一方、レイパススタッフが捉えた原因もあります。勉強の様子から、どうも文字を読むのが大変そうな子がいたり、書くことに抵抗がある子がいたりします。逆に勉強が大変よくできる子もいます。そうして捉えたことを本人や親御さんと共有する中で、「実は板書を取るのが追い付かない」「学校の勉強が(簡単で)面白くない」などの悩みが分かってきます。また、レイパスでの遊びや何気ない雑談から、子どもが「学校の子は話題が合わない」「周囲が幼く感じる」といった悩みを、謙虚な様子で話してくれることもあります。

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【プロフィール】

郷原徹志(ごうはら・てつし) 中学時代にいじめ、不登校を経験。大阪大学法学部卒業後、民間企業を経て「いじめ防止・不登校支援」の行政書士事務所を開業。子どもだけでなく保護者への支援も必要だと考え、カウンセリングも行う。また、児童相談所職員(非常勤)として、被虐待・非行児童のケアにも携わる。家庭教師として、小学生から高校生への指導実績多数(特に、中学受験・発達障がい対応)。現在NPO法人レイパス代表理事。メディア出演歴に東大阪新聞(2021年6月1日付、10月15日付)、NHK「日曜討論」(21年12月5日放送分)。

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