【教員採用試験に向けて(4)】不登校 当人の事情に応じた取り組みを

神田外語大学客員教授 嶋﨑 政男
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「不登校」とは

小中学生の不登校調査は、1966年度から始められ、90年度までは、「何らかの心理的、情緒的、身体的、あるいは社会的要因・背景により、登校しないあるいはしたくともできない状況にある(病気や経済的理由によるものを除く)」児童生徒が年間50日以上欠席した場合を計上していましたが、翌年度から「30日以上」に変更されました。

「不登校」の歴史

当初、不登校は個人の特性や親の養育態度などが主因と考えられ、治療の対象とされていましたが、昭和の終わりごろに入ると、学校の病理性を問う「学校要因論」が台頭し、学校否定の意義を強調し不登校の権利を主張する「不登校運動」が生まれ、その後両者の間で長い論争史が展開されてきました。

不登校史は、大きく4時期に区切ることができます。不登校運動が起こるまでは増減も少なく「平準期」と呼ぶことができます。1980年後半から「増加期」を迎え、92年に文部省通知が出されたころから「急増期」に入り、2000年には、千人比で小学校3人、中学校25人を超えました。

その後、高止まり状況が続き「高原期」と呼ばれましたが、ここ数年再び上昇に転じ、18年度の千人比は小学校7人、中学校36.5人(92年度から統計を取り始めた高等学校は例年15人前後)となり「再増期」といえます。

文部(科学省)通知

この間、文部(科学)省は、「登校拒否問題の対応について」(1992年)、「不登校への対応の在り方について」(2003年)、「不登校児童生徒への支援の在り方について」(16年)、「不登校児童生徒への支援の在り方について」(19年)と、不登校に関わる総合通知を4回発出しています。

92年通知では「どの子にも起こりうる」という表現が話題となり、03年回通知ではその考え方は踏襲しつつも、「ただ待つだけでは改善にならない」という文言が入れられました。

16年の通知では、「登校という結果のみを目標としない」など新たな視点が加えられ、19年通知はほぼその内容が引き継がれています。これらの通知に目を通しておくとよいでしょう。

不登校への対応

「文科省は180度方針を変えた」と通知を歓迎する一方、「不登校は見守るだけでよい」などと誤解する学校関係者も出てきました。不登校問題は当人の事情に応じた取り組みを継続しなければなりません。

特に、次の点に留意する必要があることを覚えておきましょう。

①当事者の気持ちを第一に考えて、人間関係を構築する
②保護者との連携を深め、意向を確認しながら支援を進める
③「休養が必要な場合もある」などの通知の真意を理解する
④学業保障や進路支援などに組織的に取り組む
⑤個別支援計画を作成し、校内外のリソースの活用を図る。
⑥多様な学習機会のあることを当人・保護者・関係機関で共有し、その活用を進める

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