【PISA2018】数学・科学はトップクラス 読解力は低下

【PISA2018】数学・科学はトップクラス 読解力は低下
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 OECD(経済協力開発機構)は12月3日、生徒の学習到達度調査(PISA)の2018年調査の結果を発表した。数学的リテラシー、科学的リテラシー、読解力の3分野のうち、日本は数学的リテラシーと科学的リテラシーで15年の前回調査と同様、世界トップレベルの成績を維持した一方、読解力については平均得点や順位が前回よりも低下した。

 日本の数学的リテラシーの国別順位は37カ国中1位で、平均得点は527点。日本の平均得点と統計的に有意差がない国は、韓国とエストニアだった。習熟度別の推移をみると、日本はレベル1以下(420点未満)の低得点層が少なく、レベル5以上(607点以上)の高得点層が多かった。

 科学的リテラシーの国別順位は2位で、平均得点は529点。1位のエストニアと統計的な有意差はなかった。ただし、上位国に共通する傾向として、前回調査と比べると平均得点が低下した。習熟度別の推移では、数学的リテラシーと同様、レベル1以下(410点未満)の低得点層が少なく、レベル5以上(633点以上)の高得点層が多い。

 それに対し、読解力の国別順位は11位で、平均得点は504点。OECD平均より高得点のグループに位置しているものの、前回調査と比べても順位、平均得点共に低下した。さらに、習熟度レベル1以下(408点未満)の低得点層の増加がみられた。

3分野の日本の順位
3分野の日本の順位

 平均得点と社会経済文化的背景(ESCS)の関係をみると、OECD平均も日本もESCSが高い水準であるほど習熟度レベルが高い生徒の割合が多く、ESCSが低い水準ほど習熟度レベルが低い生徒の割合が多いが、日本はOECD加盟国の中で社会経済文化的な水準の生徒間の差が最も小さく、生徒の得点に影響を及ぼす度合いが低い国となっている。

 PISAは義務教育終了段階の15歳の子供(日本では高校1年生に相当)を対象に、2000年から3年ごとに実施。今回の調査では79カ国・地域から約60万人が参加した。日本は全国から抽出した183校、約6100人の生徒が参加し、6~8月に実施した。前回調査からコンピューターを使用した調査に移行している。

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