【入試改革】「問題は収まっていない」大学教授ら署名提出

【入試改革】「問題は収まっていない」大学教授ら署名提出
共通テストの実施延期を求める、入試改革を考える会の大内裕和中京大学教授(中央)ら。
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 来年度の大学入試から導入される大学入学共通テストについて、大学教授らによる「入試改革を考える会」は1月20日、英語民間試験の活用延期と記述式問題の見送りを受け、改めて共通テストの来年度実施の延期とセンター試験を継続する決定を求める緊急声明を出し、賛同する1307筆の署名を文科省に提出した。

 緊急声明では、昨年12月の国語と数学の記述式問題見送りについて、「問題形式の大きな変更」だと指摘。来年1月の共通テスト実施までに、記述式問題を除いた新たな試行調査(プレテスト)の実施が必要になるはずなのに、その時間が残されていないというスケジュール上の問題から、共通テストは「適格性が強く疑われる」と指摘した。

 その上で、来年1月の共通テスト実施まであと1年に迫っているのに、試験内容の詳細が定まっていないことが、受験生と教育現場を混乱させているとして、共通テストの来年度実施の延期とセンター試験の継続を求めた。

 同会によると、この緊急声明について、支持する署名をインターネット上で呼び掛けたところ、1月10日から1月20日までの11日間で1307人の賛同が得られた。

 同会代表の大内裕和中京大学教授は「短期間でこれだけ署名が集まったということは、英語民間試験と記述式問題という2本柱がなくなったのに、それでも共通テストに反対する人が多いことを示している。むしろ、『2本柱がなくなったのに、なぜ共通テストをやるのか。おかしい』という反響の強さを実感している。この問題は全く収まっていない」と述べた。

 さらに、文科省が大学入学者選抜実施要項で、大学入試の教科や科目の変更が入学志願者の準備に大きな影響を及ぼす場合には、2年程度前には予告・公表することを求めている「2年前ルール」に触れ、大内教授は「共通テストは、英語民間試験や記述式問題で重大な変更があったにもかかわらず、実施されようとしている。これは2年前ルールに違反している」などと批判した。

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