外国にルーツのある高校生 シンポで当事者が経験語る

外国にルーツのある子供たちへの、高校での日本語指導や支援の課題について話し合うシンポジウムがこのほど、オンラインで開かれ、当事者である外国にルーツのある若者が、外国から日本にやってきて、学校生活で感じた戸惑いや差別、必要な支援などを語った。

外国にルーツがあり、日本の高校で過ごした経験のある若者が登壇したシンポジウム(Zoomで取材)

文科省が実施した2018年度の「日本語指導が必要な児童生徒の受け入れ状況等に関する調査」によれば、日本語教育が必要な高校生の中退率は9.6%と、全体平均より8.3ポイント高く、進学や就職でも課題を抱えている。

シンポジウムを主催したカタリバでは、19年度からNPO団体や高校と連携して、外国にルーツのある高校生を支援する「ROOTSプロジェクト」に取り組んでいる。この日のシンポジウムでは、自身も外国にルーツがあり、現在はプロジェクトの活動に関わっている若者が登壇し、自身の経験を基に、外国にルーツのある高校生の現状を伝えた。

ペルーで生まれ、ブラジルで幼少期を過ごした後に9歳で日本に移住した木村さおりサブリナバルトロさんは、小学校では日本語を覚えることにストレスを感じ、学校では表情を出さずに話すこともなく過ごしていた。3つの国にまたがる自分のバックグラウンドを知った周囲から「雑種じゃん」と言われ、傷ついたこともあるという。

サブリナさんは「周りからルーツを断言されるのは、いい気持ちがしない。いろいろな言い方はあるが、それを選ぶのはバックグラウンドを持っている本人だ。それでも母親からは『あなたは3人分生きている』と言われ続けてきた。3カ国の言葉を話せるのは私の強みになっている」と振り返った。

中国出身の新井馨さんは、日本の学校になじめずに不登校になったこともあるという。日本人らしく振る舞おうとしても日本語の発音や文法が完璧でなく、自分のアイデンティティーに苦しみ続けた。

大学に進学し、同じ外国にルーツのある高校生と接するようになった新井さんは「外国ルーツの学生は、広い意味でメンタルケアや関係づくりが大事になる。斜めの関係によるロールモデルの提供を提案したい。先生という縦でもない、友達という横でもない、外国ルーツの社会人という斜めの関係の支援に意味がある」と強調した。


ニュースをもっと読む >