先生という仕事は、エンドレスです。学校の子どもたち一人一人の成長を願い、その様子を観察し、家庭とも連絡を取り、その子に必要なことをやり続けます。授業であったり、生活指導であったり、友達との関わり方であったり、子どもたちと話して情報収集しながら、一人一人に適した支援を工夫しています。そうした支援を工夫すればするほど、エンドレスな仕事になります。さらには、保護者からの多様な要望にも応えていく必要があります。
昨今はテストの採点、通知表の作成などは、個人情報の漏えい防止のために、家庭に持ち帰ることが困難になっています。そのため、学校でする以外ありません。また、「令和の日本型学校教育」の実現のために、ICTの利用が求められていますし、プログラミング教育をはじめ多くの教材研究が求められています。そのための研修会や研究会に参加するなど、勉強もし続けないといけません。
自宅ではできない仕事が多くなれば、夜遅くまで学校で仕事をするか、朝早くに出勤して仕事をするしかありません。そんなエンドレスな仕事とわが子の子育てを両立させるには、どうすればよいのでしょうか。
お願いしづらいかもしれませんが、やりたい仕事と子育て、そして心の安定の全てを成立させるためには、パートナーをはじめ家族の力を借りるしかありません。お願いの秘訣(ひけつ)は、「お願いの仕方を間違えないこと」です。
間違ったお願いの仕方は「私は大変なんだから、手伝ってくれて当たり前」「こんなに大変なのに、なんでやってくれないの」です。これでは、先生としての仕事は認めていても「じゃあ。先生辞めればいいじゃない」と言われるかもしれません。そして、手は貸してもらえません。
身近な人だからこそ、素直に、丁寧に、礼節を持ってお願いすることが大事です。お願いの仕方のポイントは次の3つです。
○助けてほしいと素直に話す
○助けてほしいことを具体的に話す
○手伝ってもらったら感謝の気持ちをきちんと伝える
パートナーなら、後々けんかにならないよう、何をどのようにやってほしいのかを具体的に伝えましょう。そして、何かをやってもらったときには、感謝の気持ちを言葉で伝えましょう。
「お風呂に入れるのは、やっぱりパパが上手だよね。嫌がらずにさっと入るし、お風呂の中は笑い声がいっぱいだね。ありがとう。助かったよ」「私だと、さっと体と髪を洗って、ゆっくりお話しすることができないから、うれしいよ」
お姑さんがいる場合には、お礼を言うときに「さすがお母さん、息子が喜んでいました。ほんと助かりました」を付け加えることを忘れずに。そして、普段からお姑さんの話をきちんと聞くようなコミュニケーションを築いておきましょう。