【ママ先生、パパ先生のメンタルヘルス(9)】 周りを味方にできるママ先生とは

【ママ先生、パパ先生のメンタルヘルス(9)】 周りを味方にできるママ先生とは
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 「ボクはママのこと大好き。ママはボクのこと一番好きなの?と息子に言われた時、ハッとしました」という話をママ先生から聞いたことがあります。「ボクはママが一番大事だけど、ママは学校の子どもと自分とどっちが大事なんだろう?」というお子さんの素直な気持ちだったのでしょう。

 自分が教育のプロだという思いで、「できなくては駄目」「できて当然」と頑張りすぎてしまったことで、お子さんにそう映ったのかもしれません。学校でも家でも必死に過ごしているママを見て感じたのでしょう。

 ママ先生の多くは、「がんばり屋さん」です。普通に仕事や子育てをしていても、そのうちにどんどん頑張るモードが加速します。そういう先生には「休むことを努力すること」「上手に手抜きをすること」を推奨します。

 また、「がんばり屋さん」は、どんなときも手を抜かずに仕事をしているので、同僚が手を抜いたり、簡単に仕事を休んだりすると「私は、こんなに大変なのに。休まず、手を抜いていないのに…」と許せなくなります。

 自分にも他人にも厳しくするのは、先生としては理想的のように見えますが、「頑張らなくちゃ」と思えば思うほど肩に力が入りすぎて、それが周りにも伝わります。そんな人は、周囲から友達や仲間を遠ざけてしまいます。これでは上手なコミュニケーションとは言えません。そうした人の多くは手の抜き方が分からないのです。長期的に考えると、何事も「いいかげん」ではなく「よいかげん」で取り組めばいいのです。

 私が勤めていた学校で、子どもや先生から好かれていた先生は、できないことはできないと素直に言い、失敗したらすぐに「ごめんなさい」と謝っていました。その先生は「自分の気持ちに素直になると楽なのよ」と話し、落ち込んでいる先生がいると、優しい笑顔で言葉を掛けるなど、人間的にも魅力的でした。その先生が、急にお休みしても、他の先生は誰一人嫌な顔をしませんでした。自分が忘れ物をしても「おっちょこちょーい」と言って周りを和やかな雰囲気にしました。子どもたちにも自分のお子さんにもそう接していたのでしょう。そういった愛されキャラになって、同僚や教え子を味方につけることが、賢いママ先生のコミュニケーション術なのです。

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