石川県加賀市は地域の結び付きが強く、大変子ども想いの土地柄です。この結び付きと想いが、プロジェクト4「地域と一緒に」において、学校づくりの大きな力になりつつあります。
仕組みとして効果を発揮しているのは、コミュニティ・スクール(以下、CS)です。加賀市では、2023年度から全小中学校がCSに移行しています。そして、各学校の様子を教育委員会が取材して記事にまとめ、お便りとして他校に共有することで、CSを円滑に運営するヒントにしてもらっています。
お便りの中には、関係者のこんなコメントがありました。
「最初は、CS委員になることを学校側から頼まれ、仕方なくお手伝いしてやるかという意識でしたが、今では子どもたちから元気をもらっています。学校に行くことがとても楽しいです」(加賀市立山代中学校のCS委員より)
また、小学5・6年生とCS委員が中心となって、地域の方々との交流授業を行った小学校もありました。こちらの様子もお便りにて紹介されています。
「子どもたちがそれぞれ自分の考えを持って、どうやったら実現できるのか企画しているのが良かったです。話を聞いて、パソコンにすぐに文として打ち込んでいるのが素晴らしかったです。日々の活動のたまものですね。これから、子どもたちとともに、地域が元気になるように一緒に考えていきたいと思いました」(加賀市立三谷小学校のCS委員より)
このような地域との結び付きが、部活動の地域移行においても効果を発揮しています。23年度に地域・学校などとさまざまな議論を重ねた結果、加賀市においては24年度から「学校部活動は平日のみ。休日は地域クラブで活動」という方向性について、おおむねの合意を得ています。「ALL加賀」で子どもたちの運動や文化活動を支えていこうとする雰囲気が形成できるのも、市民の多くの皆さまが「子どもたちの『今』も『未来』も幸せにする」という教育委員会の想いに共感していることの表れでもあると感じます。
なお、加賀市教育委員会の方向性が市民に浸透している理由として、加賀市の強みである「デジタル」の活用が挙げられます。23年度から、学校から家庭への情報発信や家庭から学校への欠席連絡を迅速に行えるアプリを導入したほか、SNSのInstagramやFacebookを活用して、平日は毎日、学校の様子などを公開しています。
これからも「地域と一緒に」を意識して、加賀市の子どもたちを「みんなで」支えていければと思います。
(政策官 寺西隆行)