【教育課程を学ぼう】重要ポイント その2

【教育課程を学ぼう】重要ポイント その2
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学習指導要領の構成

 小学校学習指導要領は、前文と6章による構成、中学校学習指導要領は、前文と5章による構成となっている。第1章は総則、第2章は各教科に、第3章以降は特別の教科道徳および外国語活動、総合的な学習の時間に充てられている。第2章の各教科は、小学校は第1~10節の10教科、中学校は第1~9節の9教科となっている。各教科の配列の順序は、国語~図画工作(美術)までは小学校の生活を除き中学校と同じであるが、続いて小学校は家庭、体育の順序に、中学校は保健体育、技術・家庭の順序となっている。

 前文では、これからの学校に求められることや教育課程の意義と役割、学習指導要領の意義などについて述べている。持続可能な社会の創り手を目指すこと、「社会に開かれた教育課程」の実現の重要性を指摘している。さらに、学習指導要領は、学校教育の水準を全国的に確保するための「大綱的」な基準であることを明確にしている。

授業日数

 授業時数を配当する前提として授業日を設定することが必要である。学校教育法施行規則(第61条)では、休業日を定めることによって授業日が決まる仕組みをとっている。国民の祝日に関する法律に定める日、次に日曜日および土曜日を休業日と定めている。最後に、学校教育法施行令第29条1項の規定によって教育委員会が定める日とされている。教委が定める内容は、学期、夏季、冬季、学年末、農繁期などにおける休業日または体験的な学習活動などのための休業日である。各教委では、学校管理規則でこれらのことを定めている。上記から、授業日は、祝日、日曜日、土曜日、教育委員会が定める休業日を除いた日ということになる。

授業時数

 各教科などの各学年の授業時数および各学年の総授業時数は、小学校は学校教育法施行規則第51条別表第一、中学校は第73条別表第二で定めている。小学校は1単位時間を45分、中学校の場合は50分として「標準」時数を示している。小学校1学年850時間、第2学年910時間、第3学年980時間、第4学年~中学校第3学年1015時間である。特別活動の授業時数について、規則では学級活動の時数を示しており、学級活動以外の児童会(生徒会)活動、クラブ活動(小のみ)、学校行事については、各学校で適切な時数を確保する。

生きる力とは

 生きる力とは、各学校の教育活動が目指す狙いを総括的に示した言葉であり1998年の学習指導要領から総則に示されてきた。96年の中教審答申では、次のように説明していた。

 「……、我々はこれからの子供たちに必要となるのは、いかに社会が変化しようと、自分で課題を見つけ、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、行動し、よりよく問題を解決する資質や能力であり、また、自らを律しつつ、他人とともに協調し、他人を思いやる心や感動する心など、豊かな人間性であると考えた。たくましく生きるための健康や体力が不可欠であることは言うまでもない。我々は、こうした資質や能力を、変化の激しいこれからの社会を[生きる力]と称することとし、これらをバランスよくはぐくんでいくことが重要であると考えた」。

 生きる力を、資質や能力の側面、豊かな人間性の側面、健康や体力の側面の3つの側面から捉え、これらをバランスよく育てることが重要としている。

組織的計画的に教育活動の質の向上

 2017・18年告示の学習指導要領の一つの特色は、学習指導要領の総則にカリキュラム・マネジメントの用語を示し、組織的計画的に教育活動の質の向上を図ることを明確にしたことである。告示に先立つ16年の中教審答申では、「教育課程を軸に学校教育の改善・充実の好循環を生み出す」取り組みとしてカリキュラム・マネジメントの実現が明記されていた。

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