(鉄筆)「今年の漢字」が発表

(鉄筆)「今年の漢字」が発表
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 昨年末、公益財団法人日本漢字能力検定協会から、「今年の漢字」が発表され、京都の清水寺の森清範貫主が本堂舞台で墨痕鮮やかに「税」と揮毫(きごう)する姿が報道された。

 合わせて街頭で「あなたにとっての今年の漢字一文字」についてのインタビューも放映された。さまざまな漢字が上げられていたが、小学生が「幸」と答えていたのが印象的だった。理由は「友達がたくさんできたから」。本当に幸せな年だったんだと感じた。今年も全ての子供が幸せであることを願う。

 2023年度の全国学力・学習状況調査の「友達関係に満足しているか」という質問に対して小中学生とも約1割の子供が、「学校に行くのは楽しいか」には約1割強の子供が否定的な回答をしている。

 昨年、ある小学校で、いじめを受けていた子供が「わたしは死ねばいい」と自殺をほのめかす内容を書いて提出したノートに、担任が花丸を付け“You can do it”と書いて返したことが報道された。担任がノートの内容をよく読んでいたのならば、この子の普段の様子をよく見ていたら、このような記述はしなかったのではないか。前述の調査の「困りごとや不安がある時に、先生や学校にいる大人に相談できるか」に約3割超の子供は否定的な回答をしている。子供のSOSを見逃してはならない。

 教師の「経験と勘」が否定される時代だが、タブレットに表示されるデータばかり見ていないで、子供の表情や動きを見ることの大切さを認識しよう。子供の表情や動きから心情を読み取ることも教師としての大切な資質だ。

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