第3回 「学級開き」において子どもたちに伝えるべきこと

第3回 「学級開き」において子どもたちに伝えるべきこと
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 学級開きにおいて子どもたちに必ず伝えてほしいことがあります。それは、「1年後の学級集団の理想状態(ゴール)」です。「どんな学級集団に育ってほしいのか」「一人一人はどのような成長をしてほしいのか」「教師はどんな学級をつくろうとしているのか」をぜひ語ってほしいのです。

 およそどんな集団であっても、まずこの「集団のゴールの共有」を最初にしておくことが重要になります。「何が集団の理想状態なのか」が分からないと、集団に所属する一人一人がゴールに向かって行動することが難しくなるからです。反対に、ゴールを示しておくと、自然とそのゴールに合致した行動を各自が考えてするようになります。最初に学級集団のゴールを示すことは、極めて重要なのです。

 この「1年後の学級集団の理想状態(ゴール)」は、学級開きまでに教師がイメージしておきます。このとき、事前に行っていた実態調査の情報(第2回参照)が役立ちます。実態調査を通じ、教師は一人一人の成長を思い描いているはずです。そして、「どんな学級にしたいか」「どんな学級集団に育ちそうか」を思い描いているはずです。

 例えば、前年度に荒れてしまった学級を受け持つのなら、1年後には、子どもたちが落ち着いて学習や生活ができるようなゴールを思い描くでしょう。反対に前年度、子どもたちが主体的に動くことができ、協働までできるようになっているなら、より高いゴールの設定が考えられます。「大人数の仲間と協働しながら活動できる」「高い目標に向かって努力を続けることができる」などのゴールです。

 このように、学級開きまでに、現在の子どもたちの実態を把握した上で、指導が全部うまくいったとき、1年後にどこまで成長できているのかを頭に思い描いてほしいのです。そして、そのイメージを学級開きで語ってほしいのです。

 学級開きの後には、子どもたちにも「どんな学級をつくりたいか」を尋ねます。できれば一人一人に、「今年頑張りたいことは何か」「どんな学級にしたいか」と尋ねる時間を取ります。そして、子どもが思い描く学級の理想の姿も、教師が考えたゴールに付け加えていきます。さらには保護者の願い、地域の願い、学級全体の教育目標も加味していきます。そうして、1年後の学級集団の理想状態(ゴール)を更新していけばよいのです。

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