授業の腕を向上させたいと願う先生は多いでしょう。しかし、例えば余計な口癖が多かったり指示が分かりづらかったりといったことは、自分ではなかなか気付きづらいものです。授業を改善するための一般的な方法は、他の先生に授業を観察してもらいフィードバックを得るというものですが、時間的な制約がある中では難しい部分もあります。
しかし、AIならいつでもどこでも自分の都合がいいときに、短時間で簡単な授業分析が可能です。今回は自分の授業を客観的に分析できる、簡単で効果的なAIの活用法をご紹介します。
まず、授業分析の第一歩として、授業を文字起こしします。以前は、録音されたテープを何度も聞き返し、手作業で文字起こしをしていましたが、最近ではタブレット端末やPCのアプリを利用することで、授業中の自分の言葉をリアルタイムで文字起こしすることが可能です。
文字起こしされた授業記録は、CopilotやChatGPTを使って分析できます。分析を依頼する前には、授業記録から児童名などの個人情報や機密情報を必ず削除しましょう。そして、「下記はある教師の授業記録です。この記録を分析し、この教師の口癖や言葉遣いの傾向などをテーブル形式で出力してください。」と入力し、その下に授業記録のテキストを貼り付けます。すると、10秒ほどで画像1のように教師の口癖などをもとに授業スタイルの分析をしてくれます。
AIは同じ指示を出しても、そのたびに返答が変わります。もし、期待通りの分析結果が得られなかった場合は、再度返答を生成してもらうとよいでしょう。
さらに、「授業記録をもとに具体的な改善点を挙げてください」と指示をすると、授業の改善点を出してもらうこともできます(画像2)。これにより、いつでも客観的に自分の授業を分析することが可能になります。
なお、生成AIには入力できる文字数に限りがあります。長い授業記録を一度に分析させようとすると、エラーが出ることがあります。必要に応じて記録を幾つかに分割して入力してください。ChatGPTの有料版は、Wordやテキストファイルを読み込ませることができるので、文字数に制限なく分析することが可能です。より広範囲の分析を希望する場合は、有料版の活用も一つの選択肢です。
このように、AIを活用することで授業の質を向上させるきっかけをつくることができます。先生方の授業の腕を磨く一助となればうれしく思います。