第3回 押さえどころ② 否定、駄目出しをしない

第3回 押さえどころ② 否定、駄目出しをしない
【協賛企画】
広 告

否定語から入るのは「百害あって一利なし」


 昔、苦手な管理職がいました。一応、話は聞いてくれるのですが、話を聞いた後の第一声はいつも同じでした。

 「でもね…」

 まず否定語が返ってくるのです。毎回これでは、さすがに参ってしまいます。その結果、私は次第にその管理職と距離を取るようになりました。比較的、縦社会に対する耐性が強い時代に生きていた私でもそうだったのですから、否定されることに慣れていない今の世代の若者にとって否定語から入ることは、「百害あって一利なし」です。

 ただ、このことを意識はしていても、若手教師の成長を思ってついつい厳しく駄目出しをしてしまうことはあります。でも、これも今の感覚で言えば、時代遅れということになります。厳しい言葉をばねにして成長してほしいというのは、Z世代にとって大きなお世話にすぎません。彼らには逆効果にしかならないのです。

それでも、指導しなければいけないときは…


 もちろん、Z世代に否定語や駄目出しがNGだとしても、そのことを意識し過ぎて指導すべきことまでスルーしてはいけません。駄目なことが駄目なのは、誰であっても同じです。ただし、気を付けるべきことはあります。

 一つ目は、受け手が厳しく感じるような表現を使わないことです。厳しくではなく優しく駄目出しをするイメージです。ただ、表現がいくら柔らかく優しかったとしても、否定は否定です。そこで、気を付けることの2つ目です。

 叱ることにちゅうちょしてはいけませんが、否定するときはそれ以上に肯定もする、つまりフォローを忘れないということです。クラスの子どもたちへの指導と同じです。叱った後には、必ずフォローを入れるようにします。

「おひたし」を意識しよう


 コミュニケーションのテクニックの一つとして、「ホウレンソウ」に対する「おひたし」というものがあります。これは、「ホウレンソウ(報告・連絡・相談)」に来た際に、上司が部下に取るべき姿勢のことを指すものです。Z世代の教師にも非常に有効です。

 「お~怒らない ひ~否定しない た~助ける し~指示する」

 「否定しない」については、今回述べました。「怒らない」「助ける」については、当たり前過ぎるので割愛しますが、「指示する」については次回「押さえどころ③」としてお話しさせていただきます。

広 告
広 告